こんにちは!
介護サポートノートのゆりえです。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
「うちの親、いつもはもっと大変なのに…」
介護認定の調査に立ち会った時、そんな風に感じたことはありませんか?

調査員を前にすると、なぜかシャキッとして受け答えもスムーズ。
いつもはできないような動作も、その時だけは頑張ってやってみせる。
これは、多くのご家庭でよくあることです。
そして、そのせいで介護度が軽く判定されてしまい、必要なサービスが受けられないという事態が起こることも少なくありません。
でも、大丈夫です。

ご家族がしっかりとポイントを押さえて、ありのままの状況を伝えることができれば、適正な介護度を判定してもらえます。
この記事では、介護認定調査当日に、ご家族がどう振る舞い、何を伝えればいいのかを詳しく解説します。
1. なぜ「いつもよりシャキッ」としてしまうのか?
これは、ご高齢の方の心理として自然なことです。
- 緊張感
普段見慣れない人が家に来て、自分のことを細かく聞かれるので、自然と緊張します。 「しっかりしなきゃ」という気持ちが働くのです。 - 自尊心
「まだできる」「誰にも頼らずに生活したい」という自尊心から、無理をしてしまうことがあります。 - 認知機能の波
認知症の症状は、時間帯や体調によって変動します。
たまたま調査の時間が、ご本人の状態が良い「波」のタイミングだったということもあります。
これらの理由から、調査員にはご本人の本当の状態が伝わりにくいのです。

2. 調査員は「ご本人の状態」を評価する
介護認定調査の目的は、ご本人が「どれくらいの介護を必要としているか」を客観的に評価することです。
調査員は、ご本人が「できること」だけでなく、「普段の生活で実際にしていること」や「介助が必要な場面」を知りたいと考えています。
だからこそ、ご家族が普段の様子を正確に伝えることが、非常に重要になります。
3. 事前に準備しておくべきこと
調査当日に慌てないように、事前に以下のことを準備しておきましょう。
ケア記録ノートの作成
- 日付と時間:いつ、どんなことがあったかを記録します。
- 困った行動:例えば、「ご飯を食べたことを忘れて、何度も「まだ?」と聞かれる」など。
- 介助が必要な場面:「お風呂に入る時に、転ばないよう手すりにつかまるのを手伝った」など。
- 行動の変化:「以前はできていた、洋服のボタンを留めるのが難しくなった」など。

毎日細かく記録する必要はありません。
「先週、転びそうになった」「昨日の夜、徘徊があった」など、気づいた時にメモしておくだけでも十分です。
スマートフォンのメモ機能や、音声メモ(ボイスメモ)の活用もおすすめです。
ご家族で役割分担を決めておく
- 「主に話す人」を決めておく ご家族が複数いる場合、話がばらばらになってしまうことがあります。 事前に「この人が主に話す」と決めておくと、スムーズに伝えられます。
- 「記録を見せる人」を決めておく 作成した記録ノートを提示する役割の人を決めておきましょう。
4. 調査当日に家族が伝えるべきポイント
いよいよ調査当日です。
ご本人のプライドを傷つけないよう、伝え方にも配慮しましょう。
調査の目的を改めて伝える
ご本人が「何のために来たのか」理解していない場合もあります。
「病院の先生に、体の調子を見てもらうために来てくれたよ」など、ご本人が安心できるような言葉で伝えてあげましょう。
普段の様子を具体的に伝える
調査員から「普段はどんな感じですか?」と聞かれたら、事前に準備した記録ノートを見せながら、具体的に伝えましょう。
- 「調査ではできていますが、普段は…」と前置きをする
例)「座ることはできていますが、普段は手すりにつかまらないと立てません」
「今日はしっかり話していますが、普段は何度も同じことを聞きます」
「もし一人だったら…」を伝える
- 「私が見ていれば転びませんが、もし一人だったら転んでしまうと思います」
- 「私が一緒にいなければ、お風呂に入るのを忘れてしまいます」
介護の負担も正直に伝える
ご本人の状態だけでなく、それによってご家族がどれだけ大変かを伝えることも大切です。
- 「夜中に何度も起きてしまうので、私も寝不足です」
- 「一日中、目を離せないので家事が手につきません」
これらの情報も、介護度を判断する上で重要な要素になります。
具体的な例を挙げて説明する
たとえば食事の場面。
「食事は一人でできていますか?」という質問に、「はい」と答えられることがあります。
しかし、その背景にはさまざまな介助があるかもしれません。
- 食事の準備
「食事を細かく刻んであげている」
「飲み込みやすいようにとろみをつけている」といった配慮があるか。 - 食事中の様子
「自分で食べられるけど、ポロポロこぼしてしまう」
「介護用の食器を使っている」など、介助が必要な場面があるか。
このように、「一人でできる」の裏にあるご家族のサポートを具体的に伝えることが非常に大切です。
5. 調査員も「プロの視点」で見ている
調査員は、その道のプロです。 ご本人が「頑張っている」ことや、ご家族の「大変さ」を客観的に見ています。
ご本人の発言や動作だけでなく、ご家庭の様子、ご家族との会話、表情など、様々な情報から総合的に判断をしています。
大切なのは、取り繕うことではありません。
ありのままの、正直な姿を伝えることです。
あなたの気づきと、それを正確に伝える勇気が、適切な介護サービスを受けるための鍵となります。
一人で悩まず、一緒に頑張りましょう。
介護保険の申請からサービス利用までの流れはこちらで解説しています

