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皆さん、こんにちは。
介護サポートノートのゆりえです。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
前回は、遠距離に住む祖母の介護が必要になった背景をお話ししました。
今回は、祖母との心に残る思い出と、私の理学療法士としての知識が活きた特別な経験についてお話ししたいと思います。
1. 結婚式と衰え始めた祖母の身体
遠距離に住んでいたため、祖母とは頻繁に会えませんでしたが、人生の節目にはなんとか駆けつけてくれました。
私が結婚することになった時、飛行機に乗って結婚式に来てくれるか心配でした。
幸い、無事に来てくれることができました。
私の住む地域まで飛行機に乗って来てくれたのは、この時が最後になるかもしれないと感じていました。
結婚式では、花嫁姿を見せることができて、本当に良かったと心から思いました。

しかし、その後、祖母の足腰は徐々に弱くなっていきました。
骨粗鬆症などもあったため、よく転ぶようになってしまったのです。
そのたびに背骨の圧迫骨折などを繰り返し、入院が増えていきました。
入院するたびに、体力や筋力が落ちていきました。
そして、徐々に認知症の症状も出てきたのです。
2. 昔ながらの家と転倒リスク
祖父母の住んでいる家は、とても古く、リフォームなどもほとんどされていませんでした。
古い家ならではの段差が多く、トイレも和式でした。
高齢の夫婦には住みづらい環境になっていたのです。
そのため、転倒のリスクも高く、骨折を繰り返す一因となっていました。
最後に祖母が飛行機に乗ってこちらに来てくれたのは、今から6年ほど前、上の子がまだ赤ちゃんの頃でした。
ひ孫を会わせてあげることができた、貴重な機会となりました。
3. 最期の「おばあちゃん孝行」となった温泉旅行
生きている祖母に最後に会えたのは、ちょうど1年前のことです。
コロナによる行動制限も緩和された頃でした。
その時、私の母が、祖父母を有名な温泉地に連れて行きたいと強く希望しました。
私には幼い子どもが3人おり、母も足腰が強くない状態でした。
さらに、祖母は短い距離しか歩けない状態になっていました。
正直、広いお宿での移動や、階段もある温泉浴場までの移動を誰がどう手伝うのか、とても心配しました。
幸い、他の叔父叔母も協力してくれ、大人数で一泊の温泉旅行に行くことができました。
叔父叔母が私の子供たちを見てくれたり、祖父母の世話を手伝ってくれたり。
皆の協力のおかげで実現できた旅行でした。
ちなみに、私たちが宿泊したのは、鹿児島県指宿市にある「指宿白水館」です。
高齢の祖父母との旅行でしたが、このお宿は介護用の設備が充実しており、本当に助けられました。
【指宿白水館の良かった点(介護・バリアフリー面)】
- 館内に車椅子の用意があり、広い館内の移動に利用できました。
- 大浴場に入る際に、車椅子の方やお体に不自由な方専用の脱衣所が用意されていました。
- 大浴場内にはシャワーチェアがあり、足腰に不安がある祖母も安心して身体を洗うことができました。
- 温泉の浴槽に入る場所は、段差の低い階段状になっているところがあり、祖母の入浴介助がしやすかったです。
- 宿泊した客室はかなり広く、車椅子で入室しても狭さを感じることがありませんでした。
【注意が必要な点】
- 白水館は砂むし温泉が有名ですが、こちらは車椅子での利用は不可でした。(階段昇降が必須で、砂に寝転がれる方でないと困難なため)
- 食事の際、レストランの部屋によっては和室でした。そのため、祖母は車椅子を降りて歩いて移動する必要がありました。予約時に、テーブル・イス席の確認をおすすめします。
バリアフリー設備が充実した宿をお探しの方にはおすすめです。
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4. 理学療法士の知識が活きた入浴介助
指宿白水館は素晴らしく、車椅子や介護用の設備が整っていました。
祖母はその時、歩行器を使えば短い距離はなんとか歩ける状態でした。
館内では車椅子を使わせていただきましたが、問題は温泉への入浴です。
お風呂用の車椅子やお体に問題がある方専用の脱衣所が完備されていました。
しかし、祖母は認知症による自尊心から、「自分は一人でできる」と思っており、手伝おうとすると強く怒ってしまいました。

その時の私は、理学療法士としての知識が役立つと感じました。
まず、車椅子用の脱衣所で入浴の準備をしました。
そこから温泉の浴場までは、滑りやすい床なので特に危険です。
祖母の尊厳を傷つけないよう、丁寧に話をしながら進めました。
私は、祖母に私の肘の部分を持ってもらい、私も祖母の肘を支えるという安定した介助方法で、ゆっくりと湯のそばまで誘導しました。
手すりを掴んでもらいながら、転ばせないように注意深く進めました。
頭を洗う時は、シャワーチェアに座ってもらい、祖母が自分でできる部分は見守り、シャンプーなどを手渡しました。
そして、浴槽に入る時も、同じように手すりを使ってもらいながら、転ばないよう支えながら一緒に入りました。
5. 心に残る経験と自己評価
一緒に温泉に浸かり、他愛のない話をしました。
認知症で記憶が曖昧な祖母でしたが、私にとっては何よりも**「安全に温泉に入れてあげられた」**ということが、大きな出来事でした。
理学療法士として、安全な移動介助や見守り方を熟知している私だからこそ、実現できたことだと思っています。
この経験は、私にとって一番の**「おばあちゃん孝行」**だったと感じています。
また、母への「親孝行」にもなったのではないかと思っています。
この経験があったからこそ、今回、祖母の最期を迎えるにあたって、大きな悔いがなかったと思えています。
(【第3話】へ続く)
※記事中の写真は、筆者の体験を伝えるためのイメージであり、AI生成画像を使用しています。

